人の気持ちを想像することが苦手
一般的にASDの人は他人の気持ちを想像することが苦手だと言われています。
全く分からないのかというと、それは人それぞれ程度は異なるかもしれません。
うちの子の場合、長男はちょっと想像が違うかな?と思うことがありましたが、次男は分かってそうだけど、自分の気持ちの方が大事で考えないようにしているな、と感じることが多いです。
この違いはアスペルガーと高機能自閉の違いというよりは、性格の違いだと思います。
こちらの気持ちを分かってもらうには
言葉で論理的に説明する
長男も次男も思考が論理的なので、説明するときは論理的に説明することを心がけています。
こちらも人間なので感情的になることもありますが、感情的になっても100%伝わりません。
しかし、向こうは話さなくても伝わると思っていることが、癪に触ったりしますが…仕方ありません。
論理的に話しても、いまいちピンとこなかったり、分かったようで分かってないので繰り返したりすることもあります。
目には目を、歯には歯を
長男が小さい頃よく使った手法です。
論理的に説明しても、平行線だと感じるときには効果的です。
ハンムラビ法典で有名な「目には目を、歯には歯を」という言葉のように、長男がやってきたことをそのままやり返します。
ただし、注意しなくてはならないのは、ある程度信頼関係を築いていないと厳しいかもしれません。
ASDは愛着形成に時間がかかる子もいますし、お母さんが障害となかなか向き合えない場合や、お子さんの癇癪に疲れ切ってしまって、お子さんに愛情をなかなか伝えられないというお母さんも珍しくないと思います。
基本は子どもの気持ちが第一です。
なぜこの方法なのか
長男が小学校に入学すると、学校という社会で適応するという高いハードルが出現しました。
小学校1年生の時の担任の先生は、長男と相性が悪く、なかなか特性を理解してもらえなかったため、家でも問題行動が表れることが増えました。
そんなころ出会った本があります。
著書のアズ直子さんは、会社経営をされながらも、自らのアスペルガーとしての経験をいかし、福祉の分野でも活躍されています。
こちらの本では、彼女が子どもの頃に経験されてきた、他人の気持ちが分からないことなども書かれていて、「なるほど」と思えることがたくさんありました。
自分のやったことで相手がどう思うのか分からないなら、同じ思いをしてもらおうじゃないか、と単純に実行したことでしたが、うちの子には結構効果がありました。
具体的には
長男は困り感が外に表出するタイプなので、小学校低学年の頃は失敗したり間違えたりしたときに、物を投げたり、紙を破いたり、私や先生に爪を立てたりしていました。
失敗した自分が許せないという気持ちも分かりますが、物を壊されるのも限度があります。爪を立てることも相手を選んだ上で、これくらいならと思っていたのでしょうが、結構痛いです。
物を壊されたからといって、こちらも物を壊すということはしませんでしたが、爪を立てられた時には、どれほどの痛みなのか教える意味も含めて、加減しながら爪を立てたりはしました。
他にも、ふざけて人を貶すような言葉をいう事もあり、同じような事を言われたらどう思うのか、敢えて長男が傷つくような言葉をぶつけてみたり…
こんな時は気持ちを受け止めました
基本的に心が傷付いたときに、どうしても感情のコントロールができなくなるので、自分の大事な物も壊してしまったりします。
確かに物にあたることも良くないことなのですが、分かっていてもどうしようなくコントロールできないというときは、それだけ深く傷ついているので、自分のしたことにも後悔し、自分を責めてしまいます。
そんな時は、つらい気持ちは受け止めてあげて、共感し、やってしまったことに関しても、「自分でもわかってるんだよね?」と声掛けし、それ以上は無理やり追及せず、クールダウンできたときに、理由を聞いてどうすればよかったのか対処方法を一緒に考えます
とはいえ、小さい頃は自分でも何がだめだったのかわからないというともあるので、こちらも子どもの様子を見ながら推測して、対応しなければならないことあります。
基本はデータベースに蓄積させる
いろいろ試してみながら、その子その子にあった方法を見つけていき、経験としその時その時の対応の仕方などを教えていくと、子どもの中でも感情とその適した表現方法が少しずつ身についていくのかなと、長男を見ていて思っています。
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