デジタルコンテンツと上手に付き合う
別の記事で、わが家のゲームのルールについて書きました。
しかし、ゲームなどのデジタルコンテンツが子どもに与える影響も心配されることが多いようです。
子どもへの影響
昔から、一般的にゲームやテレビなどの悪影響を懸念する声があります。
実際のところはどうなのでしょう。
ゲームが脳に与える影響
よく問題になっていますが、決定的な結論はないようです。
昔、ゲーム脳と言われていたものに関しては、大いなる誤解であったことが分かっています。
こちらのサイトに詳しく解説してありました。
2016年の川島教授らの研究で、長時間ビデオゲームをしていた子どもたちの脳機能が低下していたという論文がありますが、相関関係があっても実際に脳に悪影響を与えているという因果関係があるかどうかというところまでは分かっていません。
川島教授といえば脳トレでも有名なので、こういった研究もされているというのも意外でした。
また、近年eスポーツが注目されるようになり、プロとして活躍するゲーマー達も増えています。
活躍しているゲーマーには高学歴の方が多いというのも話題の一つです。
こちらは自身もプロゲーマーとして活躍中のすいのこさんの著書で、日本を代表するプロゲーマーへのインタビューや、ゲーム依存症などについて医師に取材するなど、不安に対する答えになる一冊です。
こちらは、上のすいのこさんの著書でも紹介されていた東大卒プロゲーマーときどさんの著書です。
eスポーツという枠にとどまらず、仕事や人生にも通ずるところがあります。
スマホが脳に与える影響
最近はゲーム、というよりも、スマホの影響が問題視されているようです。
2018年、2019年に出版された川嶋教授の著書には同研究室の最新の結果が紹介されています。
こちらの資料も参考になりました。
また、2020年に刊行したスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏の著書も話題になりました。
こう見るとスマホがどれだけ悪影響を与えるのかと思ってしまいますが、個人的には疑問も感じます。
参考になる研究結果も多いですが、これだけでスマホというデバイスが悪というのはちょっと言い過ぎではないかと思います。
これらの著書では、今現在スマホをこう使っているから、スマホが悪いという言い方です。
それは少し乱暴な物の見方ではないでしょうか?
スマホの利用方法が脳に与える影響
川島教授の資料に、スマホを所持している生徒の8割がながら勉強をしている。しかも、半数の生徒は複数のアプリを利用しているということが分かるグラフがあります。
これでは、勉強時間が3時間以上あっても、その時間が十分であるとは言えないと思います。
また、LINEというメッセンジャーアプリをはじめとする、SNSの利用がスマホの依存度を高めているような書き方ですが、それはSNSへの依存であって、スマホへの依存ではありません。
SNS依存に関しては、こちらの研究ノートが参考になりました。
また、インターネットを利用することで子どもの脳の発達が阻害されるとありますが、漠然とインターネット利用という枠は大きすぎます。
これも相関関係があるというだけで、因果関係があるとは言い切れません。
調べていると、面白い記事を見つけました。
英サセックス大学の研究によると、スマートフォンやノートPCその他のメディア端末を同時に利用する、いわゆるマルチタスク行動により、人間の脳の構造が変わるという。
この研究は、高度なマルチタスク行動と、注意力散漫および落ち込みや不安などの感情的問題との間に関連性があるとする別の研究を裏付けるものだ。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1409/25/news081.html
この記事で紹介されている論文はこちらです。
この研究ではMedia Multitasking Index(MMI)のスコアが高い人ほど、前帯状皮質(ACC)の灰白質密度が小さかったことが分かっています。
この研究では複数メディアの利用によるマルチタスク行動についてのものですが、ながら勉強などの脳の別の領域を同時に使うようなマルチタスク行動に関しても同様の事が言える可能性があります。
脳の領域はまだまだ分からないことが多いので、今後の研究に期待したいと思います。
まとめ
私も3児の母として気になるところであったので、ゲームなどのデジタルコンテンツとスマホというデバイスが脳に与える影響を調べてみましたが、結局のところまだまだ分からないことも多そうです。
スマホが悪影響という考えもありますが、個人的には使用方法であったり、使うアプリなどによるところが大きいと思っています。
わが家では勉強中にスマホは触らないですし、子ども達はLINEなどのSNSもやっていません。
スマホで動画を見たり、ゲームをしたりするときは自由時間です。
また、スクリーンタイムで終了時刻には使えなくなりますが、駄々をこねてやめられないという事も基本的にはありません。たまに小学2年生の次男が切り替えられないこともありますが、納得していることなのでぶつぶつ文句を言う程度です。
依存するという問題もあるようですが、どうして依存してしまうのか、その原因を考えなくてはならないのは、他の依存症と一緒ではないでしょうか?
健全な心で健全に利用することが大事なことだと思います。
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