複雑性PTSDに関して調べてみました

時事問題

一躍有名になった精神疾患ですが

【複雑性PTSD】は宮内庁からの発表もあり、ここのところ一躍有名になった精神疾患です。

実際に眞子様のご病気の事を論じるつもりはなく、一国民として案じているだけですが、「複雑性PTSD」という疾患について、多くの方が知るきっかけになったことは、単純に良かったと思っています。

診断基準は複雑です

以前、自閉スペクトラム症の診断基準の記事を書きました。

2013年に出版されたアメリカ精神医学会によるDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版)による診断基準において、自閉症やアスペルガー症候群をまとめて、自閉スペクトラム症(ASD)と表現するようになりました。

このように、DSMは国際的な診断基準となっています。

DSM-5に複雑性PTSDの記載はない

1980年に出版されたDSM-Ⅲで初めてPTSD(心的外傷後ストレス障害)が記載され、1990年代、当時のトラウマ研究の第一人者であったJ.L.Herman(ハーバード大学准教授)がその著書である『心的外傷と回復』において「複雑性PTSD」という病名を示しました。

ハーマン女史はこの著書で、PTSDには戦争などの限局性のものだけではなく、虐待などの長期反復性の複雑性PTSDがあると提唱しています。
これにより虐待もクローズアップされましたが、その治療法に記憶回復療法(催眠退行療法)が効果的としたため、全米が混乱したようです。

その時の混乱の様子などはネットで調べられるので、気になる方は調べてみてください。
結果的にはハーマン女史の治療法は効果が出ず、受け入れられなかったようです。

DSM-4が発表される際に、複雑性PTSDの掲載も検討されていたようですし、虐待や拷問など長期的に反復されるストレスが与える影響も分かっていましたが、DSM-5においても複雑性PTSDが独立した診断名として記載されることはありませんでした。

それに関して考察しているこちらのクリニックのブログが分かりやすかったので、ご紹介します。

ICD-11では追加

上で紹介しているブログにも書かれていますが、WHOが2018年に公表したICD(国際疾病分類)の最新版ICD-11には複雑性PTSDが追加されました。

6B41 複雑な心的外傷後ストレス障害

複雑な外傷後ストレス障害(複雑なPTSD)は、非常に脅迫的または恐ろしい性質の1つまたは一連のイベント、最も一般的には脱出が困難または不可能な長期または反復的なイベント(拷問、奴隷制など)にさらされた後に発症する可能性のある障害です。 虐待キャンペーン、長期にわたる家庭内暴力、繰り返される子供時代の性的または身体的虐待。

https://icd.who.int/browse11/l-m/en#/http%3a%2f%2fid.who.int%2ficd%2fentity%2f585833559

このように診断基準となるDSM-5、ICD-11のどちらを採用するかによっても、専門家の意見が違ってきてしまうところかと思います。

複雑性PTSDの症状

精神科医の和田秀樹氏が寄稿しているこちらの記事によると、ハーマン女史が提起し、DSMに加えられることを検討された案では、以下のような症状が挙げられました。

  1. 感情制御の変化(自傷行為や性的逸脱など)
  2. 意識変化(解離症状など)
  3. 自己の感覚の変化(恥の意識など)
  4. 加害者への感覚の変化(復讐への没頭だけでなく、加害者を理想化することもある)
  5. 他者との関係の変化(孤立・ひきこもりなど)
  6. 意味体系の変化(希望喪失など)

実際の診断の際には、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターにおいて作成されたITQ(国際トラウマ質問票)日本語版が用いられるようです。

まとめ

複雑性PTSDについて調べてみましたが、その症状も広範で曖昧な部分も多いと感じました。

また、長期的反復的なストレスが子どもの成長に影響を及ぼすことは分かっていても、それを本人がいつ認識できるかというのは大きな問題です。

虐待されている子どもが気付くことは少なく、虐待サバイバーとして大人になり、色々と症状が出て初めて気付く事が多いはずです。

それでも気付ければ良いですが、気付かぬまま延々と次世代にそのバトンを渡してしまっている方も多く存在するでしょう。

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