昨年、大切な家族(ペット)を亡くしました
昨年の8月、17年間、家族の一員であったペットを亡くしました。
あれから早いもので1年…。
私たち家族の喪のワークもやっと完了したように思います。
喪のワーク
一般的には、喪の作業(mourning work)と書かれている事が多いのですが、ご指導いただいている病院の臨床心理士から聞いた言葉が『喪のワーク』だったので、以下もこちらを使用します。
喪のワークとは
喪のワークは心理学的な用語で、一般的に以下のように説明されています。
「喪の作業(ものさぎょう)」(モーニングワーク)とは、フロイト(Frued,S.)が提唱した概念であり、愛着や依存の対象を失うことを意味する「対象喪失」によって生じる心理的過程のことです。
https://psychologist.x0.com/terms/291.html
その後、「ボウルビィ(Bowlby,J.M.)」によって、喪の作業の心理的過程は4段階にまとめられました。
1.麻痺/無感覚(激しくショックを受けている)
2.否認・抗議(対象喪失を認めず、失った対象がいるように振る舞う)
3.絶望・失意(激しい失意、抑うつの体験)
4.離脱・再建(喪失を受け止め、立ち直る努力をはじめる)
以前は、喪失対象の断念が強調されました。しかし現在では、結果的には断念の方向に進展しますが、「喪失対象との持続する絆の維持」が求められています。
ペットの死
ペットが亡くなったのは昨年の8月末の日曜日でした。
17歳、ミニチュアダックスフンド、老衰でした。
子ども達にとっては生まれた時から一緒に過ごしてきた家族だったので、居るのが当たり前の存在でした。
近所の友人に知らせると、お花を持って最後のお別れに来てくれました。
みんなに可愛がってもらって幸せな犬でした。
ペットとのお別れ
その翌日の午後、奇しくも長男と次男の通院の予約をしていました。
月曜日でしたが、わが家では発達関係の通院や相談は夫婦で行きますので、主人もお休みを取っていました。
午前中にペットの火葬をお願いしました。
その日、子ども達は学校だったので早退させるつもりでしたが、次男は学校を休ませ一緒にペットの火葬を見守りました。
人間と違ってお通夜やお葬式がある訳ではないので、気持ちの切り替えが難しく感じていましたが、とても良い業者さんに来ていただけて、お線香をあげさせてもらったり、お骨上げをさせてもらったりしたことで、お別れの儀式ができたように思います。
ASDにとっての死とは
病院でペットとのお別れの事を伝えると、『喪のワーク』についてお話してくださいました。
ASDのお子さんの多くは、「死」が分からなくて悩むそうです。
漠然とした概念なので、「死」がどういう現象なのか受け入れられないことが多いようです。
病院からは、論理で話をしてあげるとよいとアドバイスされました。
例えば、
「丁寧に大切にしてあげると、いつも心の中にいて見守ってくれるよ。」
と話しておくことで、よく分からないことが少し具体的に想像できるようになるようです。
次男への声掛け
次男はまだ小学1年生だったので、火葬の時、みんなからいただいたお花と少しのドッグフードのお弁当を持たせてあげる時に、一つ一つ説明しました。
煙を見ながら、
「今、お空に向かっているね。これからずっと見守っていてくれるね。」
と話しました。
1年経った今でも、
「(亡くなったペットは)うちの守護神だよね。」
と次男はよく話しています。
まとめ
子ども達は曾祖母のお通夜やお葬式に出たこともありますが、一緒に暮らしてきた家族を亡くした経験は初めてでした。
火葬が終わってから病院で『喪のワーク』のお話を聞きましたが、私たちが自然とペットを思ってやっていたことは、子ども達にも通じ、目で見て学んでくれるんだなと実感させられました。
子ども達の特性上、私たち夫婦も論理的に話したり、説明する癖がついていた事も良かったなと思っています。
大切な家族を失った悲しみは大きいですし、思い出すと胸が締め付けられるような気持ちになりますが、この心の痛みは子ども達に大事なことを教えてくれたと思っています。
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