アダルトチルドレンを克服するということ
タイトルの言葉は、アダルトチルドレン(AC)という概念を日本で広めた精神科医の斎藤学先生の講演集『斎藤学言葉集』から引用させていただきました。
アダルトチルドレンである私
先日の日記で複雑性PTSDについて記事を書きました。
複雑性PTSDが長期的反復的な虐待によって引き起こされる精神疾患であることから、久々に昔の日記を紐解いてみたり、アダルトチルドレン(AC)についてネットで検索してみたりしました。
改めて、自分を振り返ってみるきっかけになりました。
もしかしたら自分もと悩んでいる方は、ネットで簡単なチェックをしてみるのもいいかもしれません。
こちらのカウンセリングルームのチェックが分かりやすかったので、リンクを貼らせていただきました。
ただし、ACは精神疾患ではありませんので、その点はご注意ください。
サバイバーとスライバー
PROFILEにも書きましたが、私は今から15年ほど前うつを発症し、ACという言葉に出会いました。
自分の中の生きづらさの理由が分かり、あの時はホッとしたことを覚えています。
その後出産して子どもに発達障害があることも分かり、ACと発達障害とどちらも自分に関係していると感じるようになりました。
サバイバーである私
ACかもしれないと思った私は、ネットで調べたり、関連した書籍を読んだりして、とにかく情報を集ました。
その当時、私がACを克服すべく参考にしていた本があります。
このワークを実践すると、辛いことを思い出さなくてはなりません。
蓋をして見て見ぬふりをしていた事にも向き合う事になります。
体中叩かれて、床に転げ体を丸め、泣きながら母に許しを乞うたこと。
暗闇の中、「家の中に入れてくれ」と泣きながら叫んだこと。
「本当にかわいくない。」と何度も言われたこと。
失敗すると、「言うとおりにしないから。」と責められたこと。
「みっともない。」と容姿を侮蔑されたこと。
ACだと気付く前は、全てが親子として当たり前の事だと思っていました。
親だから、私の事を思って厳しく叱ってくれる。
両親は私の事を思って言ってくれてるんだから、何を言われても傷ついたりしちゃいけない。
両親に気に入ってもらうためには、もっと頑張らなくちゃいけない。
住むところにも、食べ物にも、衣服にも困ったりしないんだから、感謝しなくちゃいけない。
私の尊敬する人は、両親です。
と、本気で思っていた時期もありました。
愛情があるから叩くんだと本気で思っていました。
酷いマインドコントロールです。
救われたこと
うつの治療には通っていましたが、当時はまだACに関して相談できるような精神科や診療内科が、近くにはありませんでした。
メンタルクリニックの情報自体も少なく、なんとかうつの薬を出してもらえるクリニックを探したのを覚えています。
ですが、時間はかかりましたが、このワークブックを実践し、ACである自分に気付き、苦しさに気付き、自分の親を客観的に見ることができるようになった事は本当に良かったと思っています。
この期間があったからこそ、子ども達の発達障害とも向き合い、育児に臨むことができました。
子ども達の発達検査の際、私の事を臨床心理士の先生にお話しする機会がありました。
私の子どもの頃の事を話すと、大変驚き、
「良くここまで克服しましたね。本来であれば、カウンセリングを受けて、医師に診てもらわなければならないのに。」
と言っていただいた事は、本当に嬉しかったです。
スライバーを目指す私
スライブ【thrive】は「力強く成長する」「成功する」という意味をもち、【thriver】は「力強く生きる人」「成功する人」という意味を持ちます。
斎藤学先生は、「スライバーの定義は、サバイバーと称していた人が自分に「サバイブしてきたんだ」っていう必要がなくなっちゃた状態。」とおしゃっています。
この言葉を読んで、私も少しはスライバーに近づけている気がすると思いましたが、同時に、まだまだだなと思う自分も居ます。
発達障害についても学べたことは、より母を、両親を客観的に見られるきっかけになり、また一つ私を成長させてくれました。
「あの人はこういう特性があるから、こう言ったんだ」というように、行動と原因が分かるようになりました。
まとめ
ACを克服するという事は簡単ではありません。
ご紹介した書籍も合う人合わない人がいると思いますし、辛くてワークブックが進まない、読めないという事は十分に考えられます。
今は、メンタルクリニックやカウンセリングルームも増え、専門家に助けを求めることができるようになってきました。
自分に合った方法でACの克服を目指す事が望ましいと思います。
急がなくも良いので、自分を大切にしてください。
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